いろいろと物議を呼んでいるNHKスペシャル『腸内フローラ』の回。
お肌の調子が良くない、ダイエットの成果がなかなかでない・・・そんな時、あなたのお腹にいる“腸内フローラ”が影響しているかもしれません。
“腸内フローラ”とは、腸の中に住む細菌たちの生態系のことを言います。
いま、最新の遺伝子解析技術によって、腸内細菌がもつ知られざるパワーが明らかになってきました。
ざっくりとその内容を説明すると、腸内環境を変えることができれば、肥満を防げたり、シワを減らせたり、うつ病だって治療できてしまうかも?というもの。
なんだか信じられない話ですが、腸の中の細菌を活性化させたり、その構成を変えるだけで痩せやすい身体になれるらしいのです。一番わかりやすい事例がこちらのサイトで紹介されていたので引用させてもらいます。
博士はマウスを使った大胆な実験を行いました。ある装置を使って完全な無菌状態で育てたマウスに肥満の人と痩せた人の腸内細菌を移植したのです。
そしてエサや運動量など同じ条件で育てたところ驚きの結果が現れました。それは脂肪の量の変化です。
痩せた人の菌を与えたマウスは変化なしだったのですが、肥満の人の腸内細菌を与えたマウスはどんどん脂肪が増え太ってしまったのです!何度同じ実験を繰り返しても肥満の人の腸内細菌をもらったマウスは太るのです。
糞便移植で肥満になった実例:
ちなみにこの事例は別にマウスに限った話でもなく、過去にはこういうニュースもありました。どうやら腸内細菌と肥満には、密接な関係性があるみたいだということがわかります。
腸内細菌のバランスを整えるための治療法として、「糞便移植」なるものがある(All About)。
大腸炎を患っていた32歳女性がこの糞便移植手術を受けたところ、体重が一気に16キロも増加し肥満体型になってしまったそうだ。
女性はもともと肥満体型ではなかったそうだが、糞便の提供者である娘は当時太り気味で肥満に向かっていたという
太りにくい身体に繋がる短鎖脂肪酸:
ではどうやったら脂肪を吸収しにくい身体を手に入れることが出来るのか?
NHKスペシャルの中では『短鎖脂肪酸』というものを増やせば太りにくい身体を手に入れることが出来る…と紹介されていましたが、あまりその増やし方については解説がありませんでした。
そこで今回は個人的にも興味があったので、短鎖脂肪酸はどうやって増やすことが出来るのか…という方法について、調べていってみたいと思います。腸内環境を整えて太りにくい身体を手に入れたと思っている方は是非、参考にしてみてくださいね。
短鎖脂肪酸とは?
まず、短鎖脂肪酸とは何なのか?という情報です(ヤクルトより引用)。
脂肪酸とは、油脂を構成する成分のひとつで、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。
そのうち炭素の数が6個以下のものが短鎖脂肪酸と呼ばれ、それには酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。
まぁ読んでもよくわからないというのは私も同じ。要するに短鎖脂肪酸とは、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのこと…ということみたいですね。難しい言葉でいえば、炭素の鎖が短いものが、短鎖脂肪酸のようです。
肝心なのはどうやって増やすか?
肝心なのは短鎖脂肪酸をどうやって増やすのかですよね。引き続きヤクルトの公式サイトから引用させてもらうとこんな感じ。
短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成されます。
生成された短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収され、上皮細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収のためのエネルギー源として利用されます。また、一部は血流に乗って全身に運ばれ、肝臓や筋肉、腎臓などの組織でエネルギー源や脂肪を合成する材料として利用されます。
どうやら食物繊維やオリゴ糖の摂取が、短鎖脂肪酸を増やすためには必要であるということがなんとなくわかってきました。ここの部分は非常に重要なので、太陽化学のサイトからも引用させてもらいます。
短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が作る、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸のことです。特に酪酸は腸上皮細胞の最も重要なエネルギー源であり、抗炎症作用など優れた生理効果を発揮します。
これらは有用性が高いのものの、その臭い、味、吸収性などから食べたり飲んだりして摂ることが困難です。その代わり、もともと体内にいる腸内細菌に短鎖脂肪酸を作らせる(発酵させる)ことが有効であり、そのエネルギー源として「水溶性食物繊維」が必要となります。
経口摂取では増やせないけれども、体内にいる腸内細菌に短鎖脂肪酸を増やしてもらうことは可能。そしてそれをするためには水溶性食物繊維が必要と書かれていますね。
食物繊維が足りない日本人:
ご存知のように日本人は食物繊維が足りないと言われています。大塚製薬のサイトによると年代別の食物繊維摂取量は、こんなグラフになるみたいですね。
日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の目標量は、18歳以上では1日あたり男性19g以上、女性17g以上とされています。
グラフをみれば一目瞭然ですが、圧倒的に男性も女性も、若い世代であればあるほど食物繊維の摂取量が少ないことがわかります。目標とされる男性19g、女性17gはほど遠い状況ですね。
これじゃ肥満を防ぐといわれている短鎖脂肪酸が体内に増えない=太りやすい身体になってしまうのもわかるような気がします。私もダイエットをしてもなかなか太らない身体なので、たぶん腸内の短鎖脂肪酸が少ないのでしょう。
食物繊維を摂取するにはどうする?
では、食物繊維をもっと摂取するためにはどうすれば良いのか?こちらも大塚製薬のサイトにわかりやすい説明があったのでそちらをご覧ください。
ざっくりとキノコ、根菜類、海藻、豆類などを積極的に取れば、食物繊維を増やすことが出来るようです。
結果として腸内細菌が活性化し、短鎖脂肪酸が体内に増える…ということに繋がるのですね。
サプリで取るのも手:
『なるほど、短鎖脂肪酸を増やすためにはキノコ、根菜類、海藻、豆類などを摂取すればいいのか!』…ということがわかっても、忙しい普段の食生活の中でなかなか食物繊維を摂るのって難しいもの。
そういう時の頼みの綱はやはりサプリなんですが、まぁここまでご覧いただいたように、これほどまでに大塚製薬や太陽化学といった企業が食物繊維に関するコンテンツを作っている背景には、彼らが食物繊維そのものを製造しているからだったりもします。要するに食物繊維に注目が集まれば集まるほど自社で製造している食物繊維が売れるようになり、会社の業績があがるという構図なのですね。
…ということで参考までに、食物繊維を専門的に作っている彼らのサプリ製品をいくつか紹介させてもらえばと思います。
太陽化学のサンファイバー:
太陽化学曰く、グアーガム酵素分解物という食物繊維は、難消化性デキストリンやポリデキストロースよりも腸内細菌による酪酸の生産能力を高める効果があるそうです(こちら)。
なんだか難しい言葉が並んでよくわかりませんが、つまりは効率よく短鎖脂肪酸を増やしたいならこのサンファイバーという製品がおすすめということのようです。コーヒーやお茶、そして煮物などに溶かしてお使いください。
Asahiのストロングファイバー:
馴染みのある食品会社が作っている食物繊維が欲しいなら、こちらのスリムアップスリム ストロングファイバーがおすすめ。アサヒビールで有名なアサヒフードアンドヘルスケアが製造&販売しています。
前述のグアーガム酵素分解物には効果の面で勝てないかもしれませんが、難消化性デキストリンに加えて乳酸菌も入っているのは魅力的ですよ。腸内環境をとにかく整えたいという方におすすめですね。
小林製薬のイージーファイバー:
食物繊維(難消化性デキストリン)に加えてBCAAやL-カルニチンも同時に摂取したい…という方は、小林製薬のイージーファイバーもおすすめ。Lカルニチンは昔、テレビ番組で話題になった脂肪燃焼を手伝ってくれる物質なので、食物繊維と同時に摂取するとよりダイエットに効果的だと思われます。
また、BCAA摂取によってダイエット中の筋肉量低下を防ぐ…という効果も期待できそう。やはり基礎代謝を維持するためには筋肉量が必要になってきますので、そういった意味でもこの製品はダイエット向きだと言えそうです。
以上、NHKスペシャルで肥満を防ぐと紹介されていた、短鎖脂肪酸を増やす方法を調べてみた…でした。
個人的にもNHKスペシャルは納得の内容だったので、今後は水溶性食物繊維を積極的に摂取して、太りにくいからだ作りを目指してみたいなと思っています。まぁ理想は痩せている人から大便をいただくことなんでしょうけれども、安全性などがまだまだ解明されていない状況では、食物繊維摂取一択…なのかもしれませんね。
参考リンク:
おすすめの食物繊維サプリをもっと知りたいという方は、下記記事なども参考にどうぞ。難消化性デキストリンを中心におすすめのものをまとめています。